焼き付いたピストンに突き刺さったドライバー、これはどうすることもできないと判断し、エンジン載せ替えを決意する。腰下分解する手間や新たに必要となる専用工具の事を考えると、まだエンジン載せ替えの方が現実性があると思ったのだ。
幸い良いタイミングでヤフオクで中古エンジンを落札。タイヤ・キャブ・エアクリーナーまで揃っているもので、約7k円で入手した。他のを見ていると、エンジンのみで10kスタート等もあるので、安く手に入れた方なのだろう。送金して2日後には玄関に届いてた
こいつをよく見ると写真より汚い(w しかし、中古では良くあることだし、エンジン(とくに腰下)が問題なければまったくもって十分なのだ。とりあえず丁寧に錆びや汚れを落としながら、シリンダーヘッドをバラしてみた。
現れたピストンは、焼き付いたものとは比べものにならないほどきれい。もちろん上面はすすで汚れているが、ピストンピンもあっけなくとれた。今度は失敗しないぞとピストンピンプーラー(になるような治具)を準備していたのだが、本当にあっさりと抜けてしまった。問題がない場合はこうなのかと納得。考えてみればピストン交換ったら、焼き付いた場合かボアアップするような場合じゃなけりゃやらないので、この先焼き付かせないという自信があればピストンピンプーラーなんて用意しなくてもいいかもしれない。でも、ピストンピンって固着することもあり、外すには叩いてはダメ、ということが実体験できたのは大きい収穫だったと思う。
ピストンピンは新品のを組み込むが、少しつぶして組み込む。これってあまり強くつぶしてしまうと途中で外れて焼き付きの原因となるらしいが、だったらCリングとかにならないかとも思う。あれなら専用ペンチあれば取付も簡単だしね・・・
さて、ピストンがとれれば今度はボアアップピストンを組み込むが、さすがに94ccのピストンは巨大だ。50cc→94ccと排気量がほぼ倍となるライトボアアップだが、ストロークの変化がないため断面積がその分大きくなる。ピストンリングも種類と向きに注意して組み込む。ピストンがアルミ製だったのには驚いたが、実質的に摺動はピストンリングとボアスリーブで行うので、ピストン本体はピストンリングホルダー的な役割なんだろう、側面もとても摺動する場所とは思えない切削の後がくっきりみえるほどだ。
バルブの強化スプリングもせっかくだから組み込んだ。会社の友人にこのスプリングを取り外すのに使う専用クランプ治具を借りていたので、それをつかわないと勿体ない、というのもあった。この治具さえあれば簡単に・・・できると思っていたが、このバルブスプリングを止めているバルブコッタというのをうまくはめ込むのにかなり苦労した。単気筒のシングルバルブ2本でこれだ、4バルブ4気筒なんかだったりしたら、もうやりたくない作業筆頭なんだろうなと思いつつ、作業を進めた。